ぽこたつぶろぐ

自堕落な大学生がだらだらと綴ります

『I AM MOTHER』(2019) 感想

グランド・スピュートリ監督のNETFLIX作品、『I AM MOTHER』観たので感想を。

前回に引き続き母が題材の映画ですが、今回は”SF”です。

個人的評価は4/5点

NETFLIX作品は俳優の押し売り感がないので好きです。純粋にストーリーを楽しめる作品が多いのですよね。

本作品の舞台は人類が滅亡した未来。ロボットに育てられた女の子が主人公です。シェルターの中には主人公とロボットの母親、そしてカプセルに入った無数の胎児の姿のみが暮らしています。そしてこの主人公は定期的に「テスト」を受けています。実質一人しかいない世界でなんの為に。。。なんだかジャンプ漫画『約束のネバーランド』を思い出しました。

そんな主人公ですが、とあるきっかけから外の世界への興味を持ち始めます。そしてある日、汚染されているはずの外の世界から生存者の女が!汚染されていないのかと尋ねる主人公に彼女は「一体、誰にそんな嘘を教えられたの?」と一言。主人公は次第に母への疑心を強めていくのです。

 

外からきた女から話を聞くうちに、今まで絶対的だった母への信頼が崩れていく主人公の葛藤が描かれた作品ですが、これって実世界でも同じなんじゃないかなと思います。子どものうちは価値観って親によって形成されるものだと思うんですけど、新しい価値観を受け入れるのって苦痛を伴うんですよね。

あとこの映画で描かれた世界ってAI教育の究極系ですよね。個人的に、特に初等教育においてはAIによる教育を行っていく上で求められるのは「可愛らしさ」なんじゃないかなと思います。言い換えると「親しみやすさ」というか。ドラえもんとかドジじゃないですか。被教育者から信頼を寄せられる、そんなAIの開発が待ち遠しいところですね。

 

母が不気味な存在へと変容していく描写や、出生の秘密を突き止めたシーンなどはハラハラしましたが、どこかハートフルな印象を拭えない作品です。たった3人(赤ちゃんを入れれば4人ですが)の登場人物ですが、ストーリーの完成度が高く、楽しめました。ラストシーンまで観ると『I AM MOTHER』という題名に深みが感じられます。

 

ということでこの作品、NETFLIXで観ることができるのでよかったらどうぞ!

 

そんじゃ今回はこの辺で。おつかれさん。